
・FANG+に投資するリスクは?
・リスクを抑えるにはどうすればいい?
このような悩みに答えます。
- FANG+とは?
- FANG+のリターン
- FANG+のリスク
- FANG+のリスクを抑える方法
「FANG+に投資するリスクは何?」と悩んでいませんか?
FANG+に投資する最大のリスクは、構成銘柄が少ないことです。
そのため、構成銘柄の見直しは四半期(3月・6月・9月・10月)に行われるものの、一社の業績に大きく左右されます。
FANG+には他にも3つほどリスクが存在するので、本記事ではFANG+に投資するリスクについて詳しく解説します。
FANG+とは?
名称 | FANG+ |
指数基準日 | 2014年9月19日 |
構成銘柄数 | 10 |
構成銘柄 | とりわけ大きな影響力と知名度をもつ少数の企業 |
指数の計算方法 | 株価をすべて足し合わせて除数で割る単純平均型 |
銘柄入れ替えの頻度 | 毎年12月 |
FANG+は、フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をつなげた「FANG」に、以下の6社を加えた株価指数のことです。
- アップル
- エヌビディア
- クラウドストライク
- マイクロソフト
- ブロードコム
- サービスナウ
当初は中国企業のテンセントやバイドゥも構成銘柄として含まれていましたが、現在は米国企業のみで構成されています。
FANGの4銘柄は固定かと思われますが、残りの6銘柄については、今後も定期的に見直しや入れ替えが行われるでしょう。
主な特徴として、特に影響力と知名度の高い少数の企業で構成されている点が挙げられ、S&P500やナスダック100よりも高いパフォーマンスを示しています。


また、FANG+のもう1つの特徴として挙げられるのが、各銘柄が時価総額の大小に関係なく均等に組み入れられている点です。
構成銘柄がそれぞれ9~10%の割合で均等に配分されており、特定の銘柄に偏ることなく、バランスの取れた構成となっています。



こうしたユニークな構成により、FANG+はテクノロジー株や成長株に特化した投資指標として注目されています。
FANG+のリターン
以下の表は、2019年から2023年までのS&P500、ナスダック100、FANG+のリターンを比較したものです。
S&P500 | ナスダック100 | FANG+ | |
2019年 | 20.9% | 27% | 40.8% |
2020年 | 16.8% | 21.8% | 87.4% |
2021年 | 18.6% | 22.8% | 32.3% |
2022年 | 11.5% | 15.5% | -30.9% |
2023年 | 11.2% | 15.1% | 111.8% |
S&P500やナスダック100も成長率が高い株価指数ですが、それ以上の勢いで上昇していることが分かります。
FANG+を構成する企業は技術革新の最前線に立っており、新しい製品やサービスの開発に積極的です。
例えば、人工知能、クラウドコンピューティング、電気自動車など、未来の技術トレンドをリードしています。
また、それぞれの市場で強力な競争優位性を持っており、例えば、Googleは検索エンジン市場を支配し、Amazonはオンライン小売市場で大きなシェアを持っています。
FANG+のリスク
FANG+のリスクは以下の4つ。
- 構成銘柄が少ない
- 業種が偏っている
- 法的な規制がかかる可能性がある
- ITバブルと似た下落が起きる可能性がある
①構成銘柄が少ない
FANG+の構成銘柄は10社であり、どの銘柄も10%ずつ組み入れられる均等加重型が用いられています。
そのため、構成銘柄の見直しは四半期(3月・6月・9月・10月)に行われるものの、一社の業績に大きく左右されます。
特にFANG+企業は時価総額が大きく、影響力が強いため、1社の業績や株価の変動が指数全体に与える影響も大きくなります。
②業種が偏っている
以下は景気後退時に強い業種です。
- 生活必需品:食品、飲料、日用品など、日常生活に欠かせない商品を提供する企業。例として、食品メーカーやスーパーマーケットがあります。
- 医療・ヘルスケア:薬品、医療機器、病院など、健康関連のサービスを提供する企業。人々は健康管理を怠ることがないため、この業種は景気後退時にも比較的安定しています。
- 公益事業:電力、ガス、水道などのインフラを提供する企業。これらのサービスは生活に不可欠であり、需要が安定しています。
- 通信:インターネット、電話などの通信サービスを提供する企業。現代社会では通信は欠かせないため、安定した収益を上げることができます。
- 不動産:不動産投資信託や不動産開発、不動産運営を行う企業。ただ、商業用不動産は景気変動の影響を受けることがあります。
これらの業種は景気後退時でも需要が比較的安定しているため、投資家にとってリスク分散の一環として考えられます。
しかし、FANG+に組み入れられる銘柄の業種は情報技術、一般消費財、コミュニケーション・サービスの3つのみです。
そのため、景気後退時には下落をカバーできる銘柄が存在せず、景気後退の影響をもろに受けてしまいます。
③法的な規制がかかる可能性がある
FANG+企業は膨大な量のユーザーデータを収集し、利用しています。
このデータの取り扱いについて、個人情報の漏洩や不正利用のリスクがあるため、規制当局はプライバシー保護とセキュリティ強化のための法的措置を講じています。
例えば、Facebook(Meta)は過去に複数回のデータ漏洩を経験しており、その対応が問題視されました。
また、FANG+企業はデジタル市場における支配的な地位を持っています。
このため、競争法や独占禁止法の観点から、彼らの市場支配力が競争を阻害し、市場の健全性を損なう可能性があるのです。
例えば、Googleの検索エンジン市場における支配的な立場や、Amazonのオンライン小売市場における影響力などが問題視されています。
④ITバブルと似た下落が起きる可能性がある
1990年代後半、インターネット技術の急速な発展と普及に伴い、多くの新興企業がインターネット関連のビジネスを展開し始めました。
多くの投資家がインターネット関連企業の将来性に期待して投資した結果、株価は急激に上昇。
ですが、インターネット関連企業の多くが実際の収益を上げられず、2000年初頭に入り投資家たちが株価の過剰評価に気付き始め、売りが加速しました。
これにより、株価は急激に下落し、ナスダック100は80%の下落を記録。


FANG+は他の指数と比べて大きく上昇していますが、実態に見合わない上昇であれば同様に大暴落する可能性もあるでしょう。
FANG+のリスクを抑える方法
FANG+のリスクを抑える方法は、コア・サテライト運用を実践することです。
全世界株式などの分散が効いている金融商品をメインに投資し、ハイリスクな金融商品をサブとして組み入れることで全体のバランスを保てます。



比率に関してはコアに80%程度、サブに20%程度振り分けるのがおすすめです。
なお、コアにおすすめの投資信託は「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」です。
全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。
また、人気・知名度が高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year」では5回連続(2019年~2023年)で第1位に輝いています。
迷ったらeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)を選んでおくと良いでしょう。
まとめ
今回はFANG+に投資するリスクと対策について解説しました。
- FANG+とは?
- FANG+のリターン
- FANG+のリスク
- FANG+のリスクを抑える方法
FANG+はハイリスク・ハイリターンな株価指数です。
上昇時はS&P500やナスダック100を大きく上回るパフォーマンスを記録しますが、景気後退をカバーできる銘柄が含まれていません。
FANG+に投資するのであれば、全世界株式などをメインにしてFANG+をサブとするコア・サテライト運用を用いると良いでしょう。