
オルカンに投資したら複利効果は得られる?
このような悩みに答えます。
- 複利とは?
- オルカンに複利がないと言われる理由
- オルカンに投資したら複利効果は得られる?
- オルカンの複利に関するQ&A
複利とは、お金を投資することで得た利益を再び投資することで、利益が次第に増えていく仕組みのことです。
一般的に、預金や債券のように毎年の利率が一定のものであれば、複利の考え方は成り立ちますが、オルカンなどの投資信託は毎年変動します。
そのため、オルカンのような価格が日々変動する金融商品にそもそも複利の概念はなじまないという意見もあります。
結論から言うと、必ず複利効果が得られるわけではありませんが、オルカンに長期間投資したら複利効果が期待できるでしょう。
本記事では、オルカンに複利はないと言われる理由や複利効果はあるのかについて詳しく解説します。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
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複利とは?
複利とは、お金を投資することで得た利益を再び投資することで、利益が次第に増えていく仕組みのことです。
例えば、100万円を年利5%で複利で10年間投資すると、以下のように元本と利息が増えます。
1年目:100万円 × 1.05 = 105万円
2年目:105万円 × 1.05 = 110.25万円
3年目:110.25万円 × 1.05 = 115.76万円
…
10年目:約162.89万円
20年目:約265.33万円
30年目:約432.20万円
複利の最大のメリットは、時間が経つほど利益がどんどん増えるという点です。
時間が経つほど、元本と利息が雪だるま式に増えていくため、長期間投資するほど大きな利益を得られます。
オルカンに複利はないと言われる理由
一般的に、預金や債券のように毎年の利率が一定のものであれば、複利の考え方は成り立ちます。
預金はあらかじめ利率が決まっており、元本も1,000万円までなら預金保険制度により保護されているため、資産が雪だるま式に増えていきます。
同様に、債券も基本的に利率が決まっており、債券を発行する発行体が破綻しなければ毎年一定の割合で増加します。
債券とは?
債券は、国や企業の借用証明書のようなものです。
国や企業は資金が不足しているとき、お金を借りて調達します。
その1つの手段が債券の発行であり、債券を購入した投資家は、定期的に利子を受け取ることができ、満期時には元本が返済されます。
債券の発行者は、投資家から資金を借り入れ、その見返りとして一定の利率で利子を支払います。
また、債券はお金と同じ有価証券で、比較的簡単に他人に売ることが可能です。
主な債券の種類として、国債、地方債、社債が挙げられ、国が利子の支払いと償還を行う国債は債券のなかで最も信用力が高いです。
国債の信用力の高さは、国の財政状況や経済基盤の安定性に裏打ちされており、経済が安定している国の場合、国債はほぼリスクのない投資先と見なされます。
しかしながら、投資信託のような価格が日々変動する金融商品の場合、毎年一定の割合で値上がりすることはありません。



上昇する時もあれば下落する時もあります。
ある年には 10%上がることもあり、翌年には10%下がるかもしれない投資信託にそもそも複利の概念はなじみません。
オルカンに投資したら複利効果は得られる?
必ず複利効果が得られるわけではありませんが、オルカンに長期間投資したら複利効果が期待できるでしょう。
投資信託の価格を示す基準価額
基準価額とは、投資信託の一口当たりの価値を示す価格であり、純資産総額を受益権総口数で割ることで算出されます。


投資信託の売買はこの基準価額を基準として行われますが、一日に一回しか算出されないため、タイミングによって実際の取引価格は変動することがあります。
また、一般的に価格は需要と供給の関係で決まりますが、基準価額はそれ以外の要因により変動することがあります。
- 信託報酬などの手数料の徴収
- 新たな資金の流入
- 保有銘柄から得られた配当金
信託報酬などの手数料の徴収
信託報酬などの投資信託にかかる手数料は、投資家が直接支払うのではなく、純資産から日々差し引かれます。



オルカンの主な手数料は以下の通りです。
購入時手数料 | 無料 |
信託財産留保額 | 無料 |
信託報酬 | 0.05775% |
その他 | 0.03% |
各手数料の詳細
【購入時手数料】
購入時手数料は、投資信託を購入する際に発生する手数料です。
この手数料は購入時に一括で支払うもので、販売会社によって設定された割合に基づいて計算されます。
購入時手数料は一般的にパーセンテージで表され、最近ではノーロードと呼ばれる購入時手数料が無料の投資信託も増えています。
【信託財産留保額】
信託財産保留額は、途中で投資信託を抜ける解約料のようなものです。
たとえば信託財産保留額0.3%の投資信託を1万円で売却したら、30円が差し引かれて9,970円が戻ってきます。
【信託報酬】
信託報酬は毎日発生し、投資信託の純資産から日割りで引かれる形になります。
例えば、信託報酬が年率1%の投資信託に10万円投資したら、信託報酬は以下のようになります。
【信託報酬が年率1%の投資信託に10万円投資した場合】
- 1年間で発生する信託報酬:約1,100円(10万円×1.0%+消費税)
- 毎日発生する信託報酬:約3円(1,100÷365+消費税)



この額が純資産から差し引かれます。
なお、信託報酬は自動的に差し引かれるため、投資家が直接支払うことはありません。
【その他】
購入時手数料や信託財産留保額、信託報酬以外の費用は「その他」に分類されます。



その他の費用は一定ではなく、時期や運用状況、市場の動向によって変動します。
また、その他の費用は「隠れコスト」とも呼ばれ、通常の購入時手数料や信託報酬とは異なり、表立って見えないことが多いです。
そのため、交付目論見書や交付運用報告書といった公式な書類を確認しなければ詳細を把握できない場合があります。
上記の手数料が純資産から差し引かれると、その分だけ純資産額が減少するため、結果として基準価額も下がってしまいます。
新たな資金の流入
オルカンに新しく投資すると、その資金は純資産に加えられます。
オルカンは非常に人気の高い投資信託であり、安定した資金流入が続いているため、純資産総額は今後も拡大していくでしょう。
新たにオルカンへ投資したいと考える投資家が増えれば、それに伴い純資産がさらに大きく増加し、基準価額も上昇します。



また、基準価額の上昇はさらなる投資資金の流入を促す好循環を生み出します。
保有銘柄から得られた配当金
オルカンは先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。





これらの保有銘柄は、企業の業績に応じて配当金や利息を生み出します。
オルカンではこうした配当金や利息が基本的に再投資されるため、それらは純資産に組み入れられ、純資産の拡大に寄与します。
この仕組みにより、配当金や利息が積み重なることで純資産総額が増加し、それに伴い基準価額も上昇していきます。
基準価額は上昇する傾向にある
投資信託の売買はこの基準価額を基準として行われますが、オルカンの基準価額は長期的に見ると徐々に上昇しています。
以下のグラフは2018年10月31日〜2024年10月31日までの基準価額の推移を示したもので、右肩上がりになっていることが分かります。


基準価額が高い時に売却すれば、購入時の価格との差額で利益を得ることができ、複利のような効果を得られるでしょう。



基準価額が上昇傾向にある理由は以下の2点です。
- 投資期間が長くなることで株価が上昇している
- 株式から得られる配当金や利息が増加している
投資期間が長くなることで株価が上昇している
長期的には、企業の利益が増加することで、それに伴い株価も上昇する傾向があります。
株価が上昇すると、それらの企業の株式を組み入れている投資信託の資産価値も増加し、結果として基準価額の向上に繋がります。
特に、幅広い企業に分散投資するオルカンの場合、長期的な経済成長の恩恵を受けやすく、時間の経過とともに資産の増加が期待できるでしょう。
株式から得られる配当金や利息が増加している
オルカンは純資産を活用して全世界の株式に幅広く分散投資を行っています。
純資産が増加すると、それに比例して投資できる金額も大きくなり、より多くの企業の株式を保有することが可能です。



その結果、株式から得られる配当金や利息が増加し、それらは基本的に再投資されます。
純資産が増えることで株式から得られる配当金や利息が増え、これが好循環を生み出し、基準価額の上昇にもつながっています。
売るタイミングによって異なる
長期間投資したら複利効果が期待できますが、基準価額はさまざまな要因で変動するため、売却するタイミングによって異なる点に注意が必要です。



複利効果を得られないケースは以下の2つです。
- 基準価額が停滞している
- 基準価額が下落している
基準価額が停滞している
購入時と売却時の基準価額の差が大きいほど、売却益も大きくなります。
一方で、基準価額が長期間にわたってほとんど変化しない場合、投資元本に対する増加率も低くなり、期待したほどの複利効果が得られません。



特に、オルカンのような長期投資を前提とした投資信託では、市場全体の成長が基準価額の上昇に直結します。
そのため、経済全体の成長や市場の動向が停滞している場合、基準価額の上昇も鈍化し、長期保有のメリットが薄れることも考えられます。
基準価額が下落している
オルカンは非常に人気の高い投資信託であり、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year」では5回連続(2019年〜2023年)で第1位に輝いています。
先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されているため、特定の地域の株式が下落してもそこまで影響はないでしょう。
ただ、2000年以降は経済のグローバル化が進んだことにより、世界中の株式市場は互いに強く連動するようになりました。
1988年〜2023年におけるACWI(オルカンが目標とする株価指数)とS&P500、ナスダック100、日経平均のリターンを比較したグラフは以下のとおりです。


1990年代全体では各指標の変動が大きく、それぞれ異なる動きを見せていましたが、2000年以降はいずれの指標もほぼ同様の推移を示しています。



購入時より基準価額が下落している場合、複利効果どころか損失が生じてしまいます。
オルカンは2018年に運用が開始された投資信託であり、大きな経済危機が生じた際に基準価額がどのように動くかは未知数です。
2008年のリーマンショックのような経済危機が起これば、基準価額が長期間にわたって大きく下落する可能性も考えられます。
オルカンの複利に関するQ&A


平均リターンはどれくらいなの?
リターンとは、ある期間における増減率を示す指標のことで、年リターンが3%であれば1年間で3%増加、年利リターンが-3%であれば3%減少したという意味です。



オルカンのリターンは以下のとおり。
また、ACWI(オルカンが目標としている指数である)のリターンは以下のとおり。
1988年から2023年までの各年のリターン


- 1988年:28.1%
- 1989年:35.3%
- 1990年:-21.1%
- 1991年:10.2%
- 1992年:-4.2%
- 1993年:11.7%
- 1994年:-6.3%
- 1995年:24.1%
- 1996年:26.8%
- 1997年:29.6%
- 1998年:6.0%
- 1999年:14.2%
- 2000年:-3.6%
- 2001年:-3.2%
- 2002年:-26.9%
- 2003年:21.7%
- 2004年:10.4%
- 2005年:28.3%
- 2006年:22.6%
- 2007年:5.1%
- 2008年:-52.9%
- 2009年:39.6%
- 2010年:-1.2%
- 2011年:-11.8%
- 2012年:31.7%
- 2013年:49.9%
- 2014年:20.0%
- 2015年:-2.1%
- 2016年:5.5%
- 2017年:20.0%
- 2018年:-12.4%
- 2019年:28.6%
- 2020年:11.2%
- 2021年:31.9%
- 2022年:-6.1%
- 2023年:34.3%
オルカンの平均リターンは8〜10%であり、過去の実績を基にすると、毎年平均して8〜10%程度の成長が期待できるでしょう。
ただ、リターンは一定ではなく、市場が低迷した年にはマイナスとなる場合もあり、元本割れのリスクは常に存在します。
詳しくは「オルカンの平均利回りはどれくらい?過去データをもとに解説」をご覧ください。
複利効果を活かすためのコツは?
複利効果を活かすために重要なことは、長期間投資することです。
長期間投資することで、新たな資金の流入やオルカンが保有している銘柄の成長により基準価額の上昇が期待できます。
また、長期投資は複利効果を活かすためだけではなく、元本割れのリスクを抑えるうえでも非常に有効な手段です。
以下の図は1989年以降、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券 積立投資を行い、5年間と20年間それぞれ保有した場合についての年間収益率を計算したものです。


上記のデータを見ると、短期的にはマイナスとなる可能性もありますが、20年と長期投資を続ければ運用収益率は2~8%の範囲となっています。



オルカンに投資する際は長期投資が重要です。
シミュレーションは参考になる?
金融庁や証券会社の公式サイトなどでは、投資信託や株式の運用シミュレーションを行うことができ、将来の資産形成の目安として一定の参考になります。
さまざまな運用リターンや積立額を試してみることで、自分に合った投資プランをシミュレーションでき、将来どのくらいの資産を持てるかをイメージしやすくなります。
しかし、シミュレーションはあくまで過去のデータや一定の仮定に基づいた計算結果であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
特に、運用リターンを一定と仮定して計算されるケースが多いですが、実際の運用でリターンが一定になることはありません。
また、実施に売買する際の価格は基準価額であり、基準価額はさまざまな要因で日々変動するため、注意が必要です。



シミュレーションは投資の参考材料の一つとして参考程度に活用するとよいでしょう。
まとめ
今回はオルカンの複利について解説しました。
- 複利とは?
- オルカンに複利がないと言われる理由
- オルカンに投資したら複利効果は得られる?
- オルカンの複利に関するQ&A
必ず複利効果が得られるわけではありませんが、オルカンに長期間投資したら複利効果が期待できるでしょう。
基準価額とは、投資信託の一口当たりの価値を示す価格であり、純資産総額を受益権総口数で割ることで算出されます。
投資信託の売買はこの基準価額を基準として行われますが、オルカンの基準価額は長期的に見ると徐々に上昇しています。
基準価額が高い時に売却すれば、購入時の価格との差額で利益を得ることができ、複利のような効果を得られるでしょう。
しかしながら、基準価額はさまざまな要因で変動するため、売却するタイミングによって異なる点に注意が必要です。
基準価額が停滞している場合は期待したほどの複利効果が得られず、基準価額が下落している場合は複利効果どころか損失が生じてしまいます。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
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