
S&P500が上がり続ける理由は?
このような悩みに答えます。
- S&P500とは?
- S&P500は上がり続けている
- S&P500が上がり続ける理由
- 今後のS&P500に影響を与える政策
- S&P500に関するQ&A
S&P500は一時的な下落を繰り返しながらも、過去80年以上にわたり上昇を続けてきました。
このような長期間にわたり安定して成長している株価指数は非常に珍しく、多くの投資家にとって信頼できる投資対象として支持されている理由の1つと言えるでしょう。
本記事では、S&P500が上がり続けている理由について詳しく解説します。
なお、S&P500に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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S&P500とは?
名称 | S&P500 |
指数基準日 | 1957年3月4日 |
構成銘柄数 | 500 |
構成銘柄 | 米国の主要企業500社 |
指数の計算方法 | 浮動株調整後時価総額加重平均 |
銘柄入れ替えの頻度 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
S&P500は、米国の代表的な株価指数の1つであり、米国の主要企業約500社の時価総額をもとに算出されています。



米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国の経済動向を反映する重要な指標として幅広く利用されています。
S&P500にはGAFAMなどの米国を代表する企業が含まれているため、S&P500に連動する投資信託に投資することで、米国の主要企業500社に投資するのと同じ効果が得ることが可能です。
S&P500に連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・プラス・S&P500インデックスファンド」などがあります。
S&P500は上がり続けている
以下のグラフは1880年〜2020年におけるS&P500の推移で、過去80年以上にわたり上昇を続けています。


1987年のブラックマンデー、2000年代初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなど、多くの危機が発生するたびに一時的な下落を経験しましたが、回復のたびに力強さを取り戻しています。
近年ではCOVID-19パンデミックにより世界経済が停滞する中でも、S&P500は驚異的な回復力を見せ、史上最高値を更新しました。
このような長期間にわたり安定して成長している株価指数は非常に珍しく、多くの投資家にとって信頼できる投資対象として支持されている理由の1つと言えるでしょう。



S&P500を通じて、米国経済の強さや安定感も伺えます。
S&P500が上がり続ける理由
S&P500が上がり続ける理由は以下の9個。
- 米国の株式市場の約80%をカバー
- 銘柄入れ替えを年4回検討
- 80年間上がり続けている
- 今後も米国の人口は増加する
- 世界規模でビジネスを行っている
- 採用力や人材獲得力が高い
- 株主の監視が厳しい
- 自己資本利益率が高い
- 研究開発に多額の費用を費やしている
①米国の株式市場の約80%をカバー
S&P500は米国株式市場を代表する指数であり、その構成銘柄である500社は米国市場全体の時価総額の約80%をカバーしています。
この指数は様々な業種の企業を含んでおり、米国経済全体の動向を幅広く反映する指標として位置付けられています。
また、米国は世界全体の株式市場で約50%を占める巨大市場であり、S&P500は世界全体の株式市場の約40%に相当します。
②銘柄入れ替えを年4回検討
S&P500の銘柄入れ替えは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの指数委員会によって、年4回(3月・6月・9月・12月)ほど検討されます。
また、銘柄入れ替えが必ず年4回行われるわけではなく、企業の合併や買収、破産、経済環境が急激に変化した場合は入れ替えの頻度が高くなることがあります。
このように、投資先の銘柄を定期的に入れ替える新陳代謝を行うことで、市場環境の変化に柔軟に対応しながら、長期間にわたって成長を維持し続けているのです。
③80年間上がり続けている
以下のグラフは1880年〜2020年におけるS&P500の推移です。


短期的な価格変動を繰り返しながらも、過去80年以上にわたり上昇を続けてきており、この成長の背景には厳格な基準と定期的な銘柄入れ替えが重要な役割を果たしています。
構成銘柄は年に4回見直され、成長の見込みが低い銘柄や基準を満たさなくなった銘柄は除外されることに加え、採用されるには一定の条件をクリアしなければなりません。
【S&P500の採用条件】
- 米国企業である
- 時価総額が53億ドル以上
- 四半期連続で黒字利益を維持している
- 株に流動性があり、浮動株が発行済株式総数の50%以上ある
このような適切な銘柄入れ替えや徹底した管理プロセスが、S&P500の持続的なハイパフォーマンスを支える要因の一つと言えるでしょう。
④今後も米国の人口は増加する
人口が増加すると、労働人口が増え、消費も拡大するため、人口増加と経済成長は密接に関連してます。
以下のグラフは2024年から2100年までの米国の人口予測を示したもので、2050年には約4億2000万人、2100年には約4億7000万人に到達する見込みです。


米国は今後も安定した人口増加が続くと予測されており、それに伴って米国企業も成長する可能性は十分にあるでしょう。
⑤世界規模でビジネスを行っている
米国企業はグローバルな視点でビジネスを展開しており、、2020年におけるS&P500構成企業の海外売上高比率は28.7%に達しています。
【S&P500構成企業の海外売上高比率】
- アジア・オセアニア:10.8%
- 欧州:10.5%
- 南北アメリカ(米国を除く): 4.9%
- アフリカ・中東:2.4%
- オセアニア:1.4%
このようなグローバル展開により、米国企業にとって新たな収益源を確保するだけでなく、米国以外の地域が成長してもその成長を取り込めます。
また、特定の地域や国の経済が一時的に低迷した場合でも、他地域での成功が企業全体の成長を支える可能性があります。
⑥採用力や人材獲得力が高い
以下の表は「THE世界大学ランキング2024」における1位〜10位の大学です。
順位 | 大学名 | 国・地域 |
1 | オックスフォード大学 | イギリス |
2 | スタンフォード大学 | アメリカ |
3 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
4 | ハーバード大学 | アメリカ |
5 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
6 | プリンストン大学 | アメリカ |
7 | カリフォルニア工科大学 | アメリカ |
8 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | イギリス |
9 | カリフォルニア大学バークレー校 | アメリカ |
10 | イェール大学 | アメリカ |



上位10大学のうち、米国の大学7校がランクインしています
米国の大学を卒業した学生の中には、学んだ知識やスキルを持って本国へ帰国する学生もいますが、そのまま米国企業に就職する学生もいます。
特に、米国の企業はグローバルな人材を受け入れる柔軟性を持ち、高度なスキルを持つ人材が集まりやすい環境が整っています。
この結果、米国企業は高度な専門知識を持つ人材を活用することで、技術革新や事業拡大を進める原動力となり、さらなる成長へとつながっています。
⑦株主の監視が厳しい
米国の企業には「会社は資本を投入している株主のもの」という認識が根付いています。
そのため、株主は企業の方針や運営に対して一定の権限を持ち、大口投資家や機関投資家はその影響力が非常に大きいです。
また、米国の規制環境も株主の影響力を強めており、企業は株主に対して十分な情報開示を行わなれればなりません。
これにより、株主は財務状況や業績、将来の見通しなどに関する情報を得ることができ、経営に対して意見を求めたり、改善を促したりすることが可能です。
⑧自己資本利益率が高い
自己資本利益率(ROE)は、自己資本(株式発行による資金、企業が過去に蓄積した利益など)をどれだけ効率的に生かして利益を出したかを示す指標です。
一般的に、自己資本利益率(ROE)が高い企業ほど、株主から提供された自己資本を効率的に活用して収益を上げる能力が高いとされています。


過去20年間におけるS&P500と東証株価指数(TOPIX)の自己資本利益率を比較すると、S&P500の方が約2倍ほど高い水準を維持していることがわかります。
米国企業の利益率が高い要因として、研究開発に多額の投資を行っていることが挙げられ、米国企業は得た利益を研究開発や設備投資に利用しています。



このような取り組みは、新しい技術や製品、サービスの開発を促進し、競争力の強化につながっています。
研究開発への積極的な資金投入はイノベーションを生み出す原動力となり、これが企業全体の成長を支える好循環を形成しています。
⑨研究開発に多額の費用を費やしている
以下のグラフは、企業の営業利益に対する設備投資および研究開発投資の比率を日本と米国で比較したものです。


営業利益に対する設備投資および研究開発投資の比率が日本と比べて高いことに加え、年々増加傾向にあることが分かります。
米国企業は利益の多くを研究開発や設備投資に費やしており、新しいイノベーションや技術革新に取り組む姿勢が顕著です。
このような取り組みによって、米国企業は市場のニーズに応えるだけでなく、時には市場そのものを創出するような付加価値の高い商品やサービスを提供できます。
今後のS&P500に影響を与える政策
今後のS&P500に影響を与える政策は以下の3つ。
- 経済政策
- 貿易政策
- 金利政策
①経済政策
米国では2017年に法人税の大幅な減税が実施され、多くの企業が財務上の負担を軽減することができました。
この減税措置により、企業は得られた余剰資金を活用して事業拡大や研究開発などを行い、競争力の向上が図られました。
個人投資家や機関投資家にとっては、法人税減税が企業の配当金増加や株価上昇といった形で利益をもたらす可能性があります。
今後さらに法人税が減税される場合、企業は節税分を事業拡大や研究開発などに充てる余地が生まれ、競争力を高めることが可能です。
また、法人税の減税は投資家にとっても魅力的であり、配当金の増加や企業価値の向上が期待され、それが株式市場への資金流入を促します。



その結果、株価の上昇が期待できるでしょう。
このように、法人税減税は単なる企業の利益増加にとどまらず、経済全体や社会に幅広い影響を及ぼす可能性を秘めています。
②貿易政策
トランプ大統領は第1期目(2017年~2021年)の任期中に、複数の関税政策を実行しました。
特に、中国をはじめとする主要な貿易相手国に対して、高率の関税を課す政策を導入し、これにより米国の貿易赤字の是正や国内産業の保護を目指しました。
しかし、これらの政策は国際的な貿易摩擦を引き起こし、対象国からの報復措置を招いたため、世界的な経済への影響も大きかったとされています。
こうした関税政策が再び導入されることになれば、輸出依存度が高い企業や国際的に事業を展開している企業に大きな影響を及ぼすでしょう。
これには、輸出コストの上昇や取引先国との関係悪化が含まれ、利益の圧縮や市場シェアの縮小につながるリスクなどが考えられます。
③金利政策
FRBは、景気の状況やインフレ率、失業率などを総合的に考慮し、金利を上下させる政策を実施しています。



FRB(連邦準備制度理事会)は米国の中央銀行です。
金利が高い場合は預金や債券から得られる利息が多くなるため、株式などのリスク資産は売却され、安全資産であるドルや国債が購入される傾向にあり、株式市場は下落しやすくなります。
一方、金利が低い場合は預金や債券から得られる利息が少なくなるため、株式などのリスク資産が購入される傾向にあり、株式市場は上昇しやすくなります。
金利調整のタイミングは景気に応じて異なり、景気が加熱している際は利下げ、景気が後退している際は利下げが行われるのが一般的です。
S&P500に関するQ&A


S&P500は日本で言うと何?
S&P500は日本で言うとTOPIXに該当します。
まず、両指数は対象とする銘柄の範囲が広く、それによって市場全体の動向を効果的に反映することができる点が共通しています。
また、S&P500とTOPIXは、いずれも時価総額加重平均型の指数として設計されており、各銘柄の時価総額に基づいて計算されるため、より大きな企業が指数に与える影響が大きいです。
さらに、両指数とも業種間のバランスが重視されており、特定の業種に偏ることなく、多様な分野の銘柄が組み込まれています。
このため、投資家は特定の業種のリスクを軽減しながら、広範な市場にアクセスすることが可能。
総じて、S&P500とTOPIXは、各国の経済を代表する指標として重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
詳しくは「【結論:TOPIX】S&P500は日本の株式指数で言うと何に該当する?」をご覧ください。
S&P500の銘柄入れ替えの頻度・方法は?
S&P500の銘柄入れ替えは年4回ほど検討され、パフォーマンスが良好な企業は新たに組み入れられる一方、低下した企業は除外されます。
また、銘柄入れ替えが必ず年4回行われるわけではなく、企業の合併や買収、破産、経済環境が急激に変化した場合は入れ替えの頻度が高くなることがあります。
このように銘柄の新陣代謝を行うことで長期間にわたって成長を維持し続けているのです。
詳しくは「S&P500の銘柄入れ替えの頻度や方法について解説」をご覧ください。
S&P500だけでいい?
S&P500だけに投資するのはおすすめしません。
米国経済が今後どうなるかを予測することは非常に難しく、米国でだけでは他の国や地域の成長を逃すリスクがあります。
オルカンのような全世界株式に投資することで、国や地域ごとの成長予測に悩むことなく、世界全体の経済成長を享受することが可能です。
ただ、S&P500に信頼を置いている、今後も米国の成長を信じているならば、S&P500だけに投資するのも選択肢の1つです。
S&P500は短期的な価格変動を繰り返しながらも、米国経済の成長を反映する指標として、過去80年以上にわたり上昇を続けてきた歴史があります。
業績の悪化した企業は速やかに除外される仕組みとなっており、常に競争力が高く、成長性に優れた企業が選定されます。
持続的な成長や多様性、企業の革新性を考慮し、S&P500や米国経済に信頼を置いているのであれば、S&P500への投資も選択肢の1つとなるでしょう。
詳しくは「S&P500だけでいい?全突っ込みするリスクと対策について解説」をご覧ください。
まとめ
今回はS&P500が上がり続ける理由について解説しました。
- S&P500とは?
- S&P500は上がり続けている
- S&P500が上がり続ける理由
- 今後のS&P500に影響を与える政策
- S&P500に関するQ&A
S&P500は一時的な下落を繰り返しながらも、過去80年以上にわたり上昇を続けてきました。
1987年のブラックマンデー、2000年代初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなど、多くの危機が発生するたびに一時的な下落を経験しましたが、回復のたびに力強さを取り戻しています。
近年ではCOVID-19パンデミックにより世界経済が停滞する中でも、S&P500は驚異的な回復力を見せ、史上最高値を更新しました。
このような長期間にわたり安定して成長している株価指数は非常に珍しく、多くの投資家にとって信頼できる投資対象として支持されている理由の1つと言えるでしょう。
なお、S&P500に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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