
オルカンは円安・円高になるとどうなる?
このような悩みに答えます。
- オルカンとは?
- 円安・円高を引き起こす要因
- オルカンは円安・円高になるとどうなる?
- オルカンの買い時・購入タイミングはいつ?
- 投資信託の買い方
- オルカンの円安・円高に関するQ&A
オルカンの組入通貨において、日本円の割合は約6%と比較的少なく、残りの約94%が外貨で構成されています。
オルカンは為替ヘッジを行わない方針であるため、為替の変動がオルカンの価格に直接影響を及ぼすことがあります。
結論から言うと、円安時は同じ金額で購入できる株数が減少し、円高時は同じ金額で購入できる株数が増加します。
本記事では、オルカンが円安・円高になるとどうなるかについて詳しく解説します。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
au PAY カード利用者 | 三菱UFJ eスマート証券 >> 三菱UFJ eスマート証券のメリット・デメリットについて解説 |
dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |
オルカンとは?
名称 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
分類 | インデックス |
目標とする指数(ベンチマーク) | ACWI |
純資産額 | 4兆7326億円 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
信託報酬(手数料) | 0.05775% |
成長投資枠対象 | ◯ |
つみたて投資枠対象 | ◯ |
販売会社 | ネット証券、総合証券、銀行など |
オルカンは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託です。
全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。


人気・知名度が高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year」では5回連続(2019年〜2023年)で第1位に輝いています。
そんなオルカンは、強い国には多く投資して弱い国には少なく投資する「時価総額加重平均」を用いています。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本は5.5%、英国は3.7%となっていますが、新興国がさらに成長すれば比率は大きく変わります。
円安・円高を引き起こす要因
円安・円高を引き起こす主な要因は以下の3つ。
- 金利差
- 経済政策
- グローバル経済の変動
①金利差
金利差は、異なる国々の金利水準の違いを指し、この差が円の価値に与える影響は非常に大きいです。
各国の中央銀行は、経済成長を促進したりインフレを抑制したりするために金利を調整し、金利が高い国の通貨は利息を多く得られるため魅力的です。
これにより、その通貨に対する需要が高まり、相対的にその通貨の価値が上昇する一方で、金利が低い国の通貨は利息が少ないため資金が流出しやすく、その通貨の価値は低下する傾向があります。
例えば、日本の金利が低く、米国の金利が高い場合、投資家は高金利を享受するために円を売ってドルを買う動きをします。



これにより、円の価値は相対的に低下し、ドルの価値が上昇することになります。
このような金利差による為替の変動は、通貨の短期的な動きに大きな影響を及ぼすため、中央銀行の政策が注目されます。
日本銀行が金利の引き下げを発表した場合、円の価値は下がりやすくなりますが、米国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)が利上げを発表すると、ドルの価値が上昇し、円との金利差が拡大します。
②経済政策
政府や中央銀行は、金利の設定、金融緩和政策の実施など、多様な手段を通じて為替に介入します。
- 金利の設定:日本銀行は経済の安定を目指して金利を調整します。金利を引き下げることで、企業や個人の借り入れが促進され、経済活動が活発化します。逆に、金利を引き上げることで、インフレ抑制や過熱した経済の冷却を図ります。
- 金融緩和政策:日本銀行が市場に大量の円を供給することで、円の価値が下がるようにする政策です。これは、経済を刺激するために行われ、円の供給量が増えることで、円の価値が低くなります。価値が下がると、国内の製品が外国で安く買えるようになり、輸出が増えるなど、経済が活性化することを目指しています。



この他にも、貿易協定や経済的な提携、政策決定者の発言や予測によって為替が変動することがあります。
例えば、中央銀行のトップが将来の金融政策の方向性について言及した場合、投資家はその情報を基に通貨の購入や売却を決定します。
③グローバル経済の変動
グローバル経済の変動は、円を含む世界の通貨価値に大きな影響を及ぼします。
経済の成長見通しが明るい時、投資家はリスクを取ることに積極的になり、より金利が高い国や経済成長が見込まれる新興市場の通貨への投資が増加します。
これにより、これらの国々の通貨は需要の高まりによって価値を上げ、低金利通貨である円などは相対的に売られやすくなります。
一方で、世界経済が不安定で成長見通しが暗い場合、投資家はリスク回避姿勢を強め、安全資産への資金移動を行います。
金やスイスフランなどの資産はその代表例であり、逆に円など他の通貨の価値は相対的に低下する可能性があります。
オルカンは円安・円高になるとどうなる?
日本円の割合は約6%
以下の表は、オルカンの組入上位10通貨を表したものです。


多くの通貨に分散されていますが、日本円の割合は約6%と比較的少なく、残りの約94%が外貨で構成されています。
特に、オルカンの構成銘柄の約60%を米国株が占めていることから、米ドルの比率が全体の63%と非常に高くなっています。
また、オルカンは為替ヘッジを行わない方針であるため、為替の変動がオルカンの価格に直接影響を及ぼすことがあります。
為替ヘッジとは?
為替ヘッジは、外国通貨の価値変動から生じるリスクを軽減することです。
投資信託が外国の株式や債券に投資する場合、その国の通貨の価値変動が影響を与える可能性があります。
為替ヘッジを行うことで、通貨の変動からくる損失を軽減できます。



このような為替リスクは、運用成績に影響を与えるため、注意が必要です。
円安になるとどうなる?
オルカンの約94%は外貨で構成されており、為替ヘッジも行わないため、為替の変動が投資結果に大きく影響します。
円安時に投資を始める場合、同じ金額で購入できる株数が減少しますが、円換算額が上昇するため、すでに保有している場合はリターンが増加します。
以下のグラフは、過去15年におけるACWI(オルカンが目標としている株価指数)の年間リターンの推移を示しています。


直近3年間は大きく円安が進行したため、円建てのリターンがドル建てのリターンを上回っていることが確認できます。
2013年のように1ドル=120円程度の水準に達した年も、ドル建てのリターンより円建てリターンの方が大きくなっています。
円高になるとどうなる?
円高時に投資を始める場合、同じ金額で購入できる株数が増加しますが、円換算額が減少するため、すでに保有している場合はリターンが減少します。
以下のグラフは、過去15年におけるACWI(オルカンが目標としている株価指数)の年間リターンの推移を示しています。


2010年のように円高が進行した年は、ドル建てのリターンと比較して円建てのリターンが顕著に小さくなっています。



これは、為替差損(為替の変動により生じた損失)がリターンに悪影響を与えたことを示しています。
オルカンの買い時・購入タイミングはいつ?
長期投資前提なのであれば、今すぐ購入することをおすすめします。
オルカンの約94%は外貨で構成されており、為替ヘッジも行わないため、円安時では購入できる株数が減ってしまいます。
為替ヘッジとは?
為替ヘッジは、外国通貨の価値変動から生じるリスクを軽減することです。
投資信託が外国の株式や債券に投資する場合、その国の通貨の価値変動が影響を与える可能性があります。
為替ヘッジを行うことで、通貨の変動からくる損失を軽減できます。
ですが、円安・円高などの為替リスクは今後も起こり得ますし、長期的な視点で見れば、これらの影響は一時的なものに過ぎません。
以下のチャートは、1996年〜2024年の米ドル/円の推移を示したもので、約30年で大きく上下していることが分かります。


政府や中央銀行の政策などによって為替は調整されるため、長期間にわたって見ると、上昇や下落が相互に影響し合い、全体としては相殺されることが多いです。
また、為替の変動は、需要と供給のバランスだけでなく、金利差や経済政策、国際情勢などの要因が複雑に絡み合います。
このような多様な要因が絡み合って為替の動きを形成するため、為替リスクを完全に避けることは非常に難しいです。
重要なのは購入するタイミングよりも長期間投資を行うことであり、円安や円高といった為替リスクは誤差の範囲に過ぎません。
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
au PAY カード利用者 | 三菱UFJ eスマート証券 >> 三菱UFJ eスマート証券のメリット・デメリットについて解説 |
dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |



クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
オルカンの円安・円高に関するQ&A


オルカンは円安対策になる?
オルカンや外国株式などを保有することは、円安対策として非常に有効です。
資産の大部分を円で保有している場合、円安が進行するとその資産価値が実質的に減少してしまうリスクがあります。
しかし、オルカンのような全世界の株式に分散投資した商品を保有していると、円安による資産価値の減少を抑えることが可能です。
たとえば、過去3年間のオルカンの価格チャートを見ると、円安が進む局面では価格が上昇している傾向が見られます。


このように、資産の一部をオルカンのような外国通貨建ての商品に変えることで、円安に対する自然なヘッジ効果が期待できます。
オルカンを買うと円安になる?
オルカンは、その構成比から見ても、約94%が外国株で占められており、ほぼ外貨建ての金融商品です。



そのため、オルカンを購入するということは、円を売る行為だと言えます。
通貨の価値は基本的に需要と供給のバランスで決まり、円を保有する人が増えれば価値は上がり、円を手放す人が増えれば価値は下がる仕組みです。
したがって、オルカンを購入する投資家が増えると、理論上は円の需要が減少し、円安方向に一定の影響を与える可能性があります。
ただ、為替の変動は、需要と供給のバランスだけでなく、金利差や経済政策、国際情勢などの要因が複雑に絡み合います。
また、財務省のトップである鈴木俊一氏は、新NISAが円安を招いているとの指摘に対し、「新NISAだけに変動要因を求めることは困難」との見解を示しました。
今月から始まりました新しいNISAによりまして、家計における貯蓄から投資へのシフトが進みつつある中で、分散投資という観点から、国内資産のみならず、海外資産への投資が増加しているということは認識をいたしております。
引用:金融庁
その上で、新しいNISAと為替レートの関係についてでありますが、ご指摘のような見方があるということは承知をしておりますけれども、為替レートは、国内外の経済・財政状況、国際収支、金融政策の動向、投資家の予測やセンチメントなど、様々な要因により決定されるものでありますので、この変動の要因を一概に申し上げる、つまり新しいNISAだけにその変動要因を求めるということは困難であると、そのように考えております。
オルカン購入による円売りという一因だけで円安が顕著に進行するとは考えにくく、あくまで市場全体の動向の中で微細な影響を与えるに留まるでしょう。
まとめ
今回はオルカンが円安・円高になったらどうなるかについて解説しました。
- オルカンとは?
- 円安・円高を引き起こす要因
- オルカンは円安・円高になるとどうなる?
- オルカンの買い時・購入タイミングはいつ?
- 投資信託の買い方
- オルカンの円安・円高に関するQ&A
オルカンの約94%は外貨で構成されており、為替ヘッジも行わないため、為替の変動が投資結果に大きく影響します。
円安時に投資を始める場合、同じ金額で購入できる株数が減少しますが、円換算額が上昇するため、すでに保有している場合はリターンが増加します。
円高時に投資を始める場合、同じ金額で購入できる株数が増加しますが、円換算額が減少するため、すでに保有している場合はリターンが減少します。
ただ、円安・円高などの為替リスクは今後も起こり得ますし、長期的な視点で見れば、これらの影響は一時的なものに過ぎません。
政府や中央銀行の政策などによって為替は調整されるため、長期間にわたって見ると、上昇や下落が相互に影響し合い、全体としては相殺されることが多いです。
重要なのは購入するタイミングよりも長期間投資を行うことであり、円安や円高といった為替リスクは誤差の範囲に過ぎません。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
au PAY カード利用者 | 三菱UFJ eスマート証券 >> 三菱UFJ eスマート証券のメリット・デメリットについて解説 |
dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |